ソムリエテイスティング(33)太陽に愛されたワイン、コート・デュ・ローヌ
コート・デュ・ローヌを飲んでおります。
本当はこのワインで「ソムリエナイフを使った抜栓の方法」という動画を撮っていたのですが撮り終えてチェックしてみると充電切れという…😅
抜栓動画需要あるのでしょうか。
ご意見お待ちしております…!
というわけでテイスティング!
domaine villesseche
cotes du Rhone
2015
ドメーヌ ヴィーユセッチュ
2015
ローヌ。
太陽に愛された地域のイメージがありますね。
「コートロティ(焼けた丘)」というワインが有名だからなのでしょうか。
まぁでもそんな感じですよね。
特に北部地区は日照量も多く…。
品種はシラーとグルナッシュを軸に比較的個性的な品種が多いかなと感じる地域ですね。
外観は濃いめのルビー色。グラス内部を伝うワインの涙は並〜少し粘性があるかな、と感じます。度数は13.5%かなと予測。
香りはハーブ主体のスパイス、みずみずしく生き生きとしたニュアンス。ローヌのワインは溌剌として生き生きした感じが時に生命力に溢れすぎていて疲れる…とか感じることもあるのですがなんていうかちょうどいい。
口当たりも柔らかくなめらかで親しみやすい。ほんのりと樽があるのでしょうか…辛みがソフトでいいですね。
うちの晩ごはんが「うどん」だったこともあるのですが突出しすぎず埋もれすぎず、いいバランスでした。
度数は13.5%
めずらしく自信を持って回答と正解を出せました!
ローヌ。
シラーとグルナッシュの産地と思っておりましたが奥深い…ローヌだけでも迷い込みそうになっちゃいますがフランスはおろか世界中にワインはありますからね。
生きてある間にどれだけ近づけるのだろう。
ソムリエテイスティング(32)〜カルディで買ったカリフォルニアワインをソムリエが飲んでみた〜
妻がKALDIで買ってきてくれたワイン。
せっかくなので、ブラインドで楽しんでいこうと思います。
外観は…。やや茶色がかった淡いルビー色、きわめてうっすらと青みのニュアンス。香りはハーブが中心で、ローズマリーやタイム、そこに黒蜜や黒砂糖のニュアンスがあるがどの主張もさほど強くなく、みずみずしい印象。外観の茶色もグラデーションから察するに熟成由来のものではなさそう。
さらに、きわめて薄くヴァニラ香が。
樽でしょう。この薄さがフレンチオークなど素材由来なのか、新樽ではないゆえのほのかな樽香なのか。
ぼくの判断では「一番ありえないのは、ボルドー」。色の淡さと香りのシンプルさ、口当たりのクリアさゆえです。
そう考えるとフレンチオーク使用というよりは、新樽以外を使用したゆえの樽香の淡さかな…
・イタリア サンジョベーゼ
・スペインのアッサンブラージュ
あたりかなと予測。
正解は…
レッドウッド
カリフォルニア
2014
redwood
California
Cabernet Sauvignon
2014
でしたー。
あらー😅
あんまりうまいこと当たらないものですね。
カベルネはない…と思ったのですが、残念!
外観にほのかに青いニュアンスがあったので、注意深く見られれば気づけたのかな。
いや、ピノ系だと思い込んでいたので厳しいか…
先日読んだ雑誌のワイン特集でカリフォルニアワインがいい及んでいた記述のひとつ
「自由なカリフォルニアワインには誰も追いつけない、それは、規制に縛られたヨーロッパのワインには辿り着けない領域である」
🍷そして翌日🍷
ボトルに少し残ったワインを飲んだところ、その変化に驚くのでした。
香りにはチェリーやベリーが混じり、若干感じられた水気はすっかり消えうせておりました。
口当たりはシルキーで柔らかくどこまでもなめらか。バターとバニラのまろやかな甘みとコクが豊かなボディを形成しておりました。
前日と全く違う…!
これもワインの驚きのひとつであるとともに、もしも昨日このワインを全て飲みきってしまっていたとしたらその真価にも気づけなかったんだなぁ…と、また感慨を新たにするのでありました。
ソムリエテイスティング(31)〜アルパカ制覇④シャルドネ セミヨン〜
アルパカぜんぶテイスティングする。
白ワインに差し掛かりました。
輝きのある麦わら色。やや淡めでグラデーションは感じにくいものの、ややグリーンがかった面白い色調。
グラスをつたう涙やディスクは平均的な印象。とりたてて個性を感じるものではないもような気もしますが、おてごろテーブルワインなのに安っぽく見えないのはいいですね。
チリのサンタヘレナ。
昔いたお店で出してたことのあるチリの大手のワインメーカーです。
香りはハチミツやメープルシロップのようなまろやかで親しみやすいニュアンス、そこにローズマリー系のハーブが彩りを添える。やや淡めですがとってもいい香り!
若干のヴァニラ風味も。樽かな…
香りの華やかさははセミヨン由来なのでしょうか。
温度が上がるにつれフルーティさが際立って、表情の変化まで楽しめます!が、ボトルの後半は、開くというよりはやや水気が増して頼りなく感じるかも。
口当たりはなめらかで、酸は穏やか。
フィニッシュに若干のビターさ。
あわせたベビーチーズとはなかなかの好相性!コクがすごくあるってわけではないのですが酸が主張しすぎないのがスタンダードなチーズと合うのかもしれません。
後半ちょっと失速しますがとても美味しかったです!クリーム系の何かと合わせてみたらいいんじゃないかなという印象でした。
ソムリエテイスティング(30)〜youtubeに「グラーヴの格付け」暗記動画をあげたので、実際にグラーヴ飲んでみた〜
ソムリエのyosukeです。
週末は、フランスのボルドー「グラーヴ」の赤とチリのサンタヘレナ「アルパカ」の赤の比較試飲を致しました。
グラーヴといえば…
フランスのメドックと並んでボルドーを代表する地域のひとつ。ソムリエ試験でも、グラーヴの有名なシャトー「グラーヴの格付け」は出題項目で暗記のする必要のある項目です。
↓暗記用の音声動画も作りました。youtubeで無料公開しております↓
☆
【2018】ソムリエ・ワインエキスパート試験対策 聞き流し音声教材「グラーヴの格付け」を暗記しよう。
https://m.youtube.com/watch?v=WxC2rmeSgEg
☆
chateau BOURDILLOT
seduclion
A.O.C. graves
シャトー・ボーディヨ
セディクション
A.O.C. グラーヴ
セディクション。
意味は「誘惑」。
異性と飲みに行った先でこんなワインをチョイスされたら、なんだか裏の意味を勘ぐってどきどきしちゃいそうですねw
それではテイスティング!
やや褐色がかった深めのルビー色。
柔らかなグラデーションが綺麗。
香りはカシスとスパイス、土、キノコ…ミント系ハーブ…控えめなブラックベリー、ストロベリー。親しみやすいというよりは固く気難しく、はっきりした主張のイメージですかね。
口当たりにはパキッとした縦の酸があり、口の中でほどけるアルコール感を熱く感じます。最も主張するのはスパイシーさとハーブ香。
少々とっつきにくい感じもありましたが、時間をかけて味わうと滑らかなヴァニラ感やバターのような柔らかい口当たりも生まれ、逆にアルコールのらむせるような香りは徐々に穏やかに。
すき焼きをやっていたのですが、よく合いましたー!
度数は13.5%と予想しましたが正解は13.0%
メドックに比べて、同様に重さはあるけど柔らかで爽やかって感じがあるかもしれませんね。爽やかさはハーブのニュアンスに由来するものか…カベルネソーヴィニヨンが土壌の関係でこんなニュアンスになるのかな?
ちなみにA.O.C.graves。
この名称に認められているワインのタイプは、辛口の赤と白。
赤の品種といたしましてはメルロー、カベルネソーヴィニヨン、カベルネフランあたりが軸となります。
今日のものは2014年ヴィンテージで5年熟成なのですがもっともっと熟成させても美味しそうでしたね!
ソムリエテイスティング(29)まいばすけっとで売ってる、ペットボトルの赤ワイン
うちに「赤ワインと混ぜて作れるホットワインキット」というものがあるんです。
寒い日が続く一月…ホットワインを作ってみようかな!
と思ったのですが
けど、どのワインでそのホットワインを作ろうか。そのためにセラー内のワインどれか抜栓するのもなぁ…。ベースとなる赤ワインがなにか欲しいねーと妻と話していたところ、妻が買ってきてくれたのがこちら。
デリカ・メゾン
DELICA MAISON
エチケットに「おいしい!」って書いてあるのがなんかかわいいです。
300円くらいだったでしょうか。
容器はペットボトル。
チープ感は否めませんが、処分しやすいし小さな子どもが割る心配もないので、そこは安心でもあります。
それではテイスティング!
外観は極めて明るく淡いルビー色。エッジにオレンジのニュアンスが見受けられますが熟成したピノノワールやネッビオーロのような雰囲気というよりも、ポートワインなんかを思わせるようなキラキラした輝きがあります。グラス内部を伝うワインの涙は見つけるのが難しく、ここからもアルコール度数の低さが推測できますね。
香りはシロップ漬けにしたベリー、黒砂糖といった糖度を感じる甘いアロマ。スワリングする(グラスをくるくる回す)ことでハーブっぽい香りが若干立ち上ります。
口当たりはベリーに加え、やや乳性を感じる酸味とカシスのフレーバー。ボディはライトでのみやすく、「甘みがあるわりにカシスを感じる」のがなんだか楽しいです。
余韻は短くタンニンも弱い。すっと消えていくような軽やかなワイン。
全体的にやや甘めなのですが、ある程度テクスチャーのしっかりした酸味が芯になってくれているので意外とベタつかず軽やかに飲めました。
この時「絶対合う!」と思って先日作ったかぼちゃとそぼろの甘辛煮を出してみました。
合わなくはなかったのですが、かぼちゃのねっとりとした濃厚な甘みに対して少しワインが負ける感じはあったかもしれません。
このワインは当日だけで飲み切ることはせず、翌日翌々日と少しずつテイスティングしてみたのですが、甘みと酸味が日ごとに増す感覚がありましたね。なんだかいい感じでした。
それにしても食後に甘いワインがあるって、贅沢!デザートワインにはまりたくなりそう…
食後にちびちび飲みながら、子供を寝かしつけた後の妻とゆっくり話したりしつつ夜を更かすなんてのも、なかなか楽しそうじゃないですか!
…そういえばホットワイン作るの忘れて飲み切ってしまったな。
ソムリエテイスティング(28)サンテステフ
クリスマスイブ。
ワイン、飲まれておりますか?
私見ですが日本で一番ワイン飲まれる夜じゃないんでしょうか。たぶん、最近のボジョレヌーボー解禁日とかより今夜の方がたくさん飲まれますよね。どうなんだろ、調べてみようかな。
ちなまにぼくは今夜は、フランスのボルドー、メドックの北部に位置する「サンテステフ」という村のワインにしました。
シャトー・ヴュー・クートラン
Chateau Vieux Coutelin
Saint Estephe
クリュ・ブルジョワ
CRU BOURGEOIS
2013
ぼくがソムリエ試験を受験するときに妻がこの村の名前をずっと「さんてくてく。てくてくてくてく。」って言っていたのを思い出しまして、いっしょにてくてくを飲もうかなーと。
ちなみに、このクリュ・ブルジョワという表示は…
サンテステフのある「メドック」という地域には「メドックの格付け」という有名なランキングがあり、61のシャトーが1級〜5級にランク分けされております。
クリュブルジョワは、その5級のひとつ下ってことですね。
…とはいえ、フランスボルドーにおいてのクリュブルジョワ。この地域の一般シャトー以上のお墨付きなので、その実力は推して知るべしですよー!
ちなみに今夜。メインのチキンが燻製ということでそこまで濃厚すぎるものでもなかったので、ニューワールドよりもフランス、ヴィンテージ2013。いい感じにこなれてきてるフランスワインいいんじゃないかなーと思い、選びました!
結果めっちゃよかったです!
そんなわけでテイスティング。
色調は濃いルビー色。グラスの底が見えない。やや茶色みかがったエッジに熟成しはじめている感を感じますね。
カシスとベリー、そして何よりヴァニラ。ヴァニラ香がほのかで上品。こういうのってフランスぽくていいなぁと思います!
口当たりは、香りのボリュームに比べてだいぶ素直。ハーブが中心で滑らか。ちょっと水気あるかなと思いましたが、抜栓から1時間もすると角が取れてまろやかで滑らかといった感じに。2013ヴィンテージなので5年くらい待っての抜栓だとこんな感じかなー、という想定内な美味しさって感じでした。
美味しかったですー!
ちょっと香りに比べてボディが弱い感じもしなくもないですが、総じてバランスがいい。
そして開きかたがなかなか優雅。2時間後くらいにはハーブ香のきつさがかなり和らいで、カラメルや薔薇、スミレの花のようなニュアンス。
度数は13%かなと思いましたが12.5%で、おしくも当たらず。度数当て簡単そうで難しいなぁ。
とはいえかなり楽しめました!
ある程度熟成したワインは飲み進めていく過程で表情が変化するから面白いです。
セパージュは、
カベルネ・ソーヴィニヨン65%
メルロー30%
プティブェルド5%
とのこと。
まあそんなかんじでしょう!メルローらしきまろやかな果実味は確かにあった気がします。
プティブェルドは絶対わかんなかったけど…
ワインやっぱ楽しいな。
来年はもっとワイン情報をアップしよう…!
パパの読書感想文(28)~ワインの練習(エチュード)-楽しく優雅に狂うための 横山幸雄~
『ヴィンテージ・ワインは
一本抜栓すれば
世の中から財産が一本なくなる。
本来は
金で買えるものではないのだ。』
ワイン関連書籍久々に読みました。
すごくいいですね!
ピアニストの著者が、自身の音楽とワインへの愛を絡めながら語ってくれます。
思い入れがいっぱいって感じで、読んでるこっちも嬉しくなってきます。
あぁワイン好きなんだなー。
やっぱりワインっていいなぁー。
著者も述べておりますが「ワイン」と「音楽」って、どういうわけか近しいものを感じる気がします。相性がいいというか。
重厚なボルドーからは荘厳なオーケストラのイメージを感じるかもしれません。
シラーやカベルネ・ソーヴィニヨンといった濃厚な品種を使ったニューワールドワインは、同じ重さでも「オーケストラ」というよりも「ニューウエーブ」「メタル」のニュアンスかも。
まろやかなロワールのカベルネ・フランはフレンチ・ポップやボサノヴァかな!
ブレイクビーツ風のワインといえば、スペインやイタリアあたりが思い浮かぶ気がしますし、
清冽なミュスカデ、シャブリ、甲州からはピアノやバイオリンの独奏を感じられるかも。
言ったもん勝ちのような感じもありますが
言ったもん勝ちなら、言った方が楽しめますよね!
そのワインをイメージさせるような音楽と一緒にワインをいただいたりするのも面白いかも。
少し視点は違いますが著者もまた「ワインは、飲んでなくなってしまうからこそすばらしい。一瞬のうちに舞台から消え音楽と、それは似ているようだ」と書き記しております。
ピアニストにしてワイン愛好家の著者。
ワインエキスパート資格も取得しているとのこと。
飲み手のひとの中にはすごくいいワインたくさん飲んだ経験があったり、ソムリエ顔負けの知識を持っているひともいたりして、いやになりますw
それにしてもワイン関連書籍を読むと、いつも必ずと言っていいほどなにかしらの収穫がありますね。
本書で言うのであれば…
☆
「たとえば、ボルドーのワインにしても、醸造法をああだこうだ言うのは、一般的なフランス人がいちばんしたがらないことである。シャトー・ムートンはムートンなのであって、それが”何のブドウが何パーセントで、新樽なnの使用率は何パーセント”なんてことは、知りたくもないらしい。」
「フランスでは、みんな大きな声では言わないけれど、人々の”階級”がはっきり分かれている。テーブル・ワインしか飲まないという人は、よほどの場合を除き、有名シャトーのプレミアムワインなどは、一生飲まないことが多いのである。
いっぽう、タイユヴァンなどの高級レストランで日々ボトルを開けている人は、ふだんでもそういう高級タイプを飲んでいる。
そういう意味でも、むしろ日本のワインの飲み方のほうが特殊というべきである。つまり、普段はテーブル・ワイン。ちょっと気ばって中間ランク。ハレハレの日には高級ワインを楽しむ。そんな幅広い”落差”じたい、普通のフランス人には信じがたいことなのだ。」
☆
こういうのは全く知らない情報。
ありがたい…。
ソムリエはとってからが勉強とはよくいったものです。