誰かに話したくなるワイン雑学②ボジョレーヌーボーって結局なんなの?
第2回、やって行こうと思います!
今回はあのワインのお話。「いよいよ解禁!今年の出来はどうなの?」とか「本国フランスじゃあんなの誰も喜んでやしない」とか、なにかと話題になりますよね。
🍷とりあえず前提
ボジョレーヌーボーとは、
・ボジョレーBeaujolais:フランス地方の名称
・ヌーボーnouveau:新酒(新しいもの)
です。
そのままですね。
ボージョレー地区で作られた新酒のこと。
…とはいえ、
「それじゃ、そのボージョレー地方とやらで作られて、新酒なら、ボジョレーヌーボーと名乗っていいのか?」…というと、実はもう少し細かな規定があります。それは…
・赤ワインまたはロゼワインであること
・その赤ワインが「ガメイ」という品種で作られていること
・さらにそのガメイは年内に収穫したものが使用されていること
…というわけです。
ロゼもいいんですね。
🍷ボジョレーヌーボーの白ってあるの?
ありません。なんかあると思っている人がちらほらいるのはなぜなのか…こちらの図をご覧くださいませ。ちょっと書き込んでありますが、ソムリエ教本より抜粋。
ヴァン・ド・プリムールっていうのが要するに「新酒」で、A.O.Cっていうのは許可されてる名前。みたいな感じのイメージです。
そこでみてみるとほら!
ボージョレー地区で認められているヌーボーは「赤とロゼ」でしょう?
ただ、近くの「マコン」っていう地域では「白のヌーボー」が認められていることがわかりますね。
すなわち、マコンヌーボーは白もやってるけど、ボージョレーヌーボーは赤かロゼしか認められておりません!となるわけです。
ただ、ボージョレーヌーボーという名を冠することはできませんが、ボージョレー地区にて白ワインをの新酒をシャルドネとかで作ってはいるかもしれませんね。ていうか作ってると思いますよ。
🍷なんで日本で人気なの?
初物好きの日本人にかつて「世界一早い解禁」というキャッチフレーズがうけたみたいですね。
しかし実は、世界一早く解禁日を迎えるのは「キリバス」という国だそう。さらにニュージーランド、オーストラリアと解禁されていく。
あれ?
全然世界一じゃない…
そうなんです。
なのでこのキャッチコピー、「先進国の中で世界一早い解禁」と、言い直されるようになってきております。今年の解禁日が近づいてきたら、ちょっと気にしてみてくださいね。それにしてもこの言い方しちゃうと、ちょっと他の国たちに対して失礼な気もしますが…
🍷特殊な作り方してます。
あと個人的に「これが当時の日本人に受けたんじゃないかなー」と考えているのが、
クリアでフレッシュ、飲みやすい口当たり。
にもかかわらずのしっかりとした深いルビー色という、色味の存在感。
という、相反するふたつのポイントじゃないかなーと思います。
詳しい説明はここでは省略しますが
「マセラシオン・カルボニック」
という醸造法を用いるのがボージョレーヌーボーの特徴のひとつ。これにより「はっきりした色味ながら、口当たりは軽やか」というワインができます。
ワインが今ほど生活に根付いていなかったかつての日本人は、きっとその魅惑的な深い色味に魅了され、いざ口にしてみると素直で親しみやすくクセの少ない味わい…というこのワインに酔いしれていたんじゃあないでしょうか?
🍷フランス人はこんなの飲まないって聞いたけど
ボージョレー地区のひとたちは結構飲んでるみたいですよ。あとそもそもボージョレーヌーボーは「今年はこんな出来」というのを業者に出すという意味合いが強く、一般に流通させてどうこうってものではなかったみたいですね。
さらに言えば、フランスワインはやはり歴史と伝統、熟成のワインという概念が強めだと思うので、「仕込んで2ヶ月のワインなんて飲めたもんじゃないぜ」って一応言っといた方がいいんじゃない?ってのがフランス人にはありそうな気がしてます(いち意見です、個人的な)。
ぼくとしては、軽いワインには軽いワインの、早飲みワインには早飲みワインの良さがあり存在価値があると考えております。
そこを一刀両断に「あんなん飲む奴は味がわかっとらん!」と突っぱねてしまうのは、ちょっと寂しいしもったいない…
いうても所詮はお酒!解禁日周辺の日くらい、みんなでワイワイ飲んだらいいんじゃないでしょうかねー。そんなに高いワインじゃないんだしさ。
🍷解禁日が11月第3木曜日
…という変な決まりなのですが、これは
「11月11日とかにしてしまうと、もし日曜にかぶった時誰も働かないから流通しない」という理由とのこと…笑
他にもいろいろな理由があるようなので、興味がある人は調べてみるのもいいですね。それかここでまた書こうかな。
以上、お付き合いくださり、
ありがとうございました。