ソムリエが〇〇をテイスティングしてみた⑫プリミティーヴォ=ジンファンデル?
プリミティーヴォ。
イタリアのプーリア州のワイン。
シノニム(別名)は、ジンファンデル。
そう、プリミティーヴォって「ジンファンデル」って品種の別称なんですよね。
ジンファンデルといえばアメリカはカリフォルニアでの栽培が盛んな品種。樽を効かせて濃厚に仕上げるスタイルが多く、どっしりとした存在感を誇ります。
あとは「ホワイトジンファンデル」というやつでやや甘めのかわいいロゼなんかを作っておりますね。
ジンファンデルは好きでちょくちょく飲むのですが、プリミティーヴォ単一はほぼ飲んだことなかったので、いい機会だから飲んでみることにいたしました。
「あれ。<ジンファンデル=プリミティーヴォ>なら、一緒のブドウが地方によって呼び名変わってるだけなんでしょ?別にどっち飲んでも一緒じゃあないか?」
と言われたらまさしくその通りなのですが、やはり地域が違うと同じ品種であってもだいぶ雰囲気は変わるようなのです。
アメリカとイタリア。
気候。
土壌。
料理。
生活。
文化。
歴史。
アメリカ人。
イタリア人。
造り手。
などなど。
たしかに、同じ材料を渡されてもそれで何を組み上げるかは、人それぞれですもんね。
そこもまたワインの面白さなんじゃあないでしょうか?
というわけで
Luccarelli
Primitivo
PUGLIA IGT
ルッカレッリ
プリミティーヴォ
プーリアIGT
外観は深めのルビー色。ディスクは中程度の厚みながらもワインの涙は比較的ゆったりと落ち、やや強めのアルコール度数と、酸の穏やかさをイメージさせる。
香りはカシス、黒砂糖、干しぶどうといったやや糖度を感じさせるニュアンスに、ハーブやプラム、スパイス、タイムなどの香草のニュアンスが混じることでとてもバランス良い。
どんな味なんだろう!と楽しみになる感じ。
口当たりから余韻に至るまで柔らかくシルキー。ジンファンデルにありがちな強い樽の主張はなく、プリミティーヴォのアロマにあるようなまろやかなラムレーズン系の舌触り。しかし余韻は短くふっと消える。そしてもうひとくち味わいたくなる。
うーん!
かなり好きな味わいのワインでした!
優しいけど薄くなくて、
存在感あるけど線が細く、
言いたいことがあるけど押し付けがましくなく、
主張はあるけどお料理を邪魔しない、
儚いながらも芯が強い女子ってかんじで、このラインナップの他のワインもぜひ飲んでみたくなりました。
赤ワイン特有の渋味や酸が苦手な人にも是非飲んでみてほしいな。エチケットもかっこいいし。
そう、イタリアワインってエチケットがおしゃれですよねー。なんなんでしょう。
フランスのオーセンティックなデザインは好きだし、スペインやニューワールドの遊び心あるエチケットもいい。
だけどなんかイタリアワインのエチケットって、シンプルでかっこ良いものが多くないですか?
モノトーンだったり、なんかデザイナーズっぽい感じがするというか。(?)
これだけ美味しくて、しかもエチケットがおしゃれで。こんなんパッと出したら、かっこいいでしょうねー!味わいも女子受け良さそうですし。いやー罪深い。
ジンファンデルもいいですが、プリミティーヴォもまた良い!楽しいテイスティングでしたー。