ソムリエがテイスティングしてみた(14)~アルザス~
アルザスワイン。シャープな形状のボトルがスマートでかっこいいですね。ドイツに近いアルザスは、ワインもやはりドイツの影響を受けているところがあります。
いやむしろドイツワインがアルザスからの影響を受けているのか?互いに影響し合っているのか?
なんにしても、共通点が多くみられる地域ですね。アルザスとドイツ。幅広いフランスワインにおいても、少し変わった地域のように思います。
ANNE-LAURE
pinot gris
VIN D'ALSACE
2015
アンヌ・ロール
ピノ・グリ
ヴァン・ド・アルザス
2015
1400円くらい。
さて。アルザスワインに使用される代表的品種としてソムリエ教本に掲載されているのは
・ピノグリ
・ゲヴェルツトラミネル
・ミュスカ
の4つ。
この中より本日はピノ・グリをチョイスいたしました。
ピノグリ(pinot gris)は、その名の通り「グリ系品種」と呼ばれるもののひとつ。グリ(gris)、すなわち英語で言うところのグレー。つまり「灰色の果皮を持つブドウ品種」ということになります。
日本を代表する白ブドウの品種「甲州」もグリ系品種ですね。甲州はクリアでスムーズな品種特性を備えており、同じくクリアな品種「ミュスカデ」との区別が難しい。
そこでかつてワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」に通っていた頃に先生から教わった見分け方が
「グリ系品種である甲州は、ミュスカデと違い、外観にグレーやピンクのニュアンスが出てくる」ということだったのを覚えております。
楽しかったなー、アカデミー・デュ・ヴァン。
また機会があれば通いたいです。
さてテイスティング!
まず色味から。はっきりとした濃厚な黄金色ですね。ディスクも厚く、グラスを伝う涙はゆっくりと落ち、色合いと同じく濃厚な風味を連想させます。
香りは黄桃やパイナップル、マンゴーといった熟したフルーツに加え、サンザシ、アニスといったオリエンタルなハーブのアロマがあります。
口当たり、まずはアタックですが酸はきわめて穏やか。パイナップル中心の濃厚な口当たりに、ドライフルーツ、ラムレーズン、さらに特徴的なのはヨード液のようなニュアンス。
ハーブとフルーツのワイン…
誤解を恐れずに言えば、ワイン版の養命酒みたいかも?さらにさらに言ってしまうと「ヨード液のニュアンス」ってすごい「イソジン」ぽいんですよねー個人的には。
ネガティブなイメージに聞こえるかもしれませんが、エスニックな煮込みなんかと合わせたら絶対にハマるでしょうね!トムヤムクンとかよりは、サムゲタンとか、バクテーとか良さそう。八角とあわせたい。パクチーともいいと思います。
あと気になったことといえば、この濃密で存在感ある口当たりは、7月という暑くなってきた季節に単体で味わうにはちょっと重いかも…
ワインクーラーでキンキンに冷やして飲むならまだしも、室温ではあっという間に香りが開いて、ややもするとちょっとべたっと感じられるかもしれませんね。
度数の予想は12.5%
正解も、12.5%!
最近当たりますねーすごい!
アジアンバルとかにあったら、ぜひ頼みたい一本って感じでしたー。