ソムリエがテイスティングしてみた(15)〜ワインに使われているブドウ品種を当てる!〜
久々な感じがするフランスワイン。
フランスワインはなんだか落ち着きます。
やはりソムリエとしての自分にとってのルーツはフランスワインにあると感じます。
さて今回は「セパージュ(ワインに使われている品種)」を当てていこうと思います!
あの「神の雫」をはじめ、マンガやドラマでは主人公がそれはもう見事にカッコ良く言い当てたりしてますよね。全くのブラインドで、銘柄はおろかその造り手、セパージュ、はてはヴィンテージまでもズバっと言い当てたり。
あのへんの影響なのか、ソムリエは全員ああいうことできると思っているひとがいる…
マンガやドラマはやはり創作物ですのですみません!笑
あそこまではなかなか難しいのですが、実際やってみたらどれくらい戦えるのかやってみたいと思います。
せっかくワインを抜栓するんだから、楽しそうなことは全部やってみた方がいい!
さてテイスティングです!
Chateau du Mourre du Tendre
Cotes du Rhone Village
Vieilles Vignes
2015
シャトー・デュ・ムール・デュ・タンドル
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ
ヴィエイユ・ヴィーニュ
2015
2000円くらい
ややオレンジがかったルビー色。香りはベリーからややカシスを感じさせるエレガントなニュアンス。この色味からして落ち着きます。ワインのスタンダードはこうあってほしいと感じるような。もちろん個人的な感覚ですが。
口当たりは滑らかで、優しい酸味があります。ベリー系にややカシスをミックスしたような、若いながらもわずかに熟成が顔を覗かせるニュアンス。
これはもっともっと時間経ってから抜栓してもきっと美味しかったんだろうなぁー。
ヴァニラの柔らかな口当たりは、樽からでしょうか。ほんのりとした甘やかな表情がまたステキな奥行きを与えてくれます。余韻にも心地よく残り、とても心地よいフィニッシュ。
とっても美味しい!
それでは、
セパージュを当ててゆきます。
主体はおそらくグルナッシュ。75%くらい?
あとは
サンソー10%
あとなにかひとつ5%くらい?
とかかな。
シラー?
ローヌでこういった軽やかな味わいだと、主体グルナッシュは多少自信を持てます。こういうところで味からではなく「ローヌワインだからこれかも」という知識を使ってしまうのは許してください…
しかしグルナッシュ単一品種ではなく、他にも使われている品種があるとすればこの柔らかさが何で出るのか…
メルロー?
カベルネフラン?
でも、どちらもローヌ地方で盛んなイメージはないんですよね…
一方、ローヌで盛んな品種のひとつに「シラー」がありますが、この優しい味わいですからね。スパイシーでアタックの強いシラーが入っている可能性は低そう。
サンソーも、「まあよくローヌで使われてるしサンソーあたりかな?」くらいであんまり確たる根拠はありません…
あー、それにしても美味しい!
度数は13%かな。
さてそれでは、正解をググっていきましょうー。
シャトー・デュ・ムール・デュ・タンドル
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ
ヴィエイユ・ヴィーニュ
2015
使用品種は
グルナッシュ80%
ムールヴェードル20%
でしたー。
度数は14%と、意外と高め。
うーん…結果は微妙かな?とはいえまあまあ、及第点くらいと言ってもいいんじゃあないでしょうか。
補助品種はムールヴェードルかー。
思いが至りませんでした。
確かに特性的にも産地的にも、気づける点はたくさんあったのに正解に辿り着けず残念…。ローヌワインのアッサンブラージュ用品種といえば、という品種なのに悔しい。
でもなかなか楽しんでワインと向き合えたので、またやりたいなーなんて思いました!
この記事をご覧のあなたにも、一度ブラインドやってみてほしいですね。別になんでもいいのでそのワインについての感想を仲間と言い合って、落ち着いて酔いが回りはじめた頃にそのワインを検索してみると「あーこのニュアンス自分が言ったやつだ!」「うわー感じたのと全然違う事書いてあるよー」とか盛り上がれて楽しいですよ。
正解を知ってからはできない楽しみ方のひとつだと思います!