パパ30年ぶりの読書感想文(6)~ソフトバンクで孫社長に学んだ 夢を「10倍速」で実現するための方法 三木雄信~
実践的でたいへん面白かったです。この手の路線の本って「〇〇さんは本当にすごい人でした」みたいな論に終始するイメージがあったのですが、具体的かつ客観的でした。
「孫社長からこのミッションを言い渡された時は絶望しました。毎晩眠れませんでした」とか普通に書いてあるのもおもしろい。
具体的といえば…こんなお話。
「孫社長がこんな問題を乗り切る時は、こういう思考法と解決策を実行しておりました。
ところで。
<あなたがカフェをオープンしたかった>とすると…。ここでさきほど紹介した方法をカフェのオープンに応用してみましょう」
とかやってくれて痒いところに手が届く感じ。
「ツールは提示したからそれをどう活かすかは読者が考えてね」という投げっぱなしではなく、ちゃんと読み手を意識してくれていて嬉しくなります。
☆
なぜiPhoneを獲得できたのが
DOCOMOじゃなく
auでもなく
当時業界において最下位だと思われていたソフトバンクだったのか?
最大手で国内携帯電話契約台数シェアナンバーワンのドコモを差し置いてiPhoneを独占販売し、ドコモの牙城を打ち崩したそのカラクリを本一冊からネタバレされちゃえるんですよ。
カラクリをきくと
「あーそれは、見せ方だよなあー」
とか思ったりもするんですが「そういう見せ方ができるようになるスキル」を、たかだか一冊の本、1時間程度の読書から身につけられたらすごくないですか。
ちょっとだけ説明すると、ソフトバンクはアップルに対して「携帯電話契約台数シェア」という土俵で勝負しなかったんですよね。
iPhone獲得のための勝負で、逆に携帯電話契約台数の話をしないという…。
それより
「アジアのインターネット市場ナンバーワン」
「携帯電話の純増ナンバーワン」
という「自分の土俵」を提示して戦ったわけです。
本書における「アップルはきっと、アジアナンバーワン企業と組んだと今でも信じていると思います」みたいなフレーズが印象的でしたね。
きっとiPhoneが単なる小型電話ではなく、どちらかというとPCに近く、ネットを介することで真価を発揮するツールだということが本質だと、そこが交渉で突くべきポイントだとわかっていたのでしょう。
こういうのってビジネス的思考でも、あるいは他のものでも応用できそう。
ぼくの趣味はブレイクダンスやギターなのですが、「勝てない相手」に対して相手の有利なフィールドではなく、自分の見せ方をいかに意識できるかというところを考えると、また違う戦い方ができそうな気がしてきます。