パパ30年ぶりの読書感想文(16)~ズラす!思考 新しいアイデアを生み出すヒント 宇佐美 清~
チョコレートの「キットカット」に「きっと勝つ」と合わせたキャッチコピーを冠し、新たにブランディングした経験を持つライターの著者による、アイデアと発想に関する文献。
思いつく人って、やっぱり普段から考えてるんですね。そして、その片鱗たちを集めておいていつでもアクセスできるようにしている。
…といっても、常にメモ帳を持ち歩いて思い浮かんだことを書きつけるようにしている、とかそういう感じではあるのですが。
しかし意外とアナログな方法でまとめられたそれらをつなぎ合わせることによって、新たなアイデアの形になったりします。前述のキットカットなんかは今は「郵便」で送れるようになったりしてますよね。
これもまた「チョコレート」というものを「郵便」という「別の概念(=ズレたもの)」との掛け合わせによって誕生したもののひとつです。
ふとした気づきや思いつきや発想って、眠るときに見ていた夢に似ております。その時は「あ!」って思っても次の瞬間にはおぼろげになって消えて行ってしまうというか。
著者はこれを「アイデアには羽が生えている」と表現しておりますがそれらが指の隙間をすり抜けてゆく前につかまえておこう、という話であります。
面白かったのは「写真を撮ろう」というお話。
最近はスマホのカメラ機能で十分なのでデジカメを持ち歩く必要もなく、とにかく自分の探すキーワードに関連するかもしれないものを見かけたら写真にとる。
撮った写真はフォルダ分けしておくと見返しやすくて便利かも。
ぼくであれば
「ワイン」
「起業」
「ブレイクダンス」
あたりでしょうか。
著者は過去に「座る」というテーマで写真を撮る、という課題を出したことがあるそう。
その課題に対して多くの生徒が
「公園のベンチ」
「座っている子供や赤ちゃん」
などなどの写真を撮ってきている中で数点異彩を放つ写真があったりします。
お茶碗の写真とか。
そういった普段から切り口の違う着眼点からもアイデアの種は見つけられる…と、なんだか楽しそうなワークのお話も載っておりました。
「アイデアはひらめきと思いつきである」という点は否定しませんが、アイデア力は鍛えることができるものであり、鍛えることでアイデアが豊富に浮かぶ「アイデア体質」になっていける…と著者はいいます。
とりあえず一冊のメモ帳を持ち歩くところから…。それでもハードルが高ければ、スマホのメモ帳アプリを即アクセスできるようにしておく。
とかから、自分の中に眠るアイデアの才能の発掘を始めてみるのもいいのでは?