パパの読書感想文(28)~ワインの練習(エチュード)-楽しく優雅に狂うための 横山幸雄~
『ヴィンテージ・ワインは
一本抜栓すれば
世の中から財産が一本なくなる。
本来は
金で買えるものではないのだ。』
ワイン関連書籍久々に読みました。
すごくいいですね!
ピアニストの著者が、自身の音楽とワインへの愛を絡めながら語ってくれます。
思い入れがいっぱいって感じで、読んでるこっちも嬉しくなってきます。
あぁワイン好きなんだなー。
やっぱりワインっていいなぁー。
著者も述べておりますが「ワイン」と「音楽」って、どういうわけか近しいものを感じる気がします。相性がいいというか。
重厚なボルドーからは荘厳なオーケストラのイメージを感じるかもしれません。
シラーやカベルネ・ソーヴィニヨンといった濃厚な品種を使ったニューワールドワインは、同じ重さでも「オーケストラ」というよりも「ニューウエーブ」「メタル」のニュアンスかも。
まろやかなロワールのカベルネ・フランはフレンチ・ポップやボサノヴァかな!
ブレイクビーツ風のワインといえば、スペインやイタリアあたりが思い浮かぶ気がしますし、
清冽なミュスカデ、シャブリ、甲州からはピアノやバイオリンの独奏を感じられるかも。
言ったもん勝ちのような感じもありますが
言ったもん勝ちなら、言った方が楽しめますよね!
そのワインをイメージさせるような音楽と一緒にワインをいただいたりするのも面白いかも。
少し視点は違いますが著者もまた「ワインは、飲んでなくなってしまうからこそすばらしい。一瞬のうちに舞台から消え音楽と、それは似ているようだ」と書き記しております。
ピアニストにしてワイン愛好家の著者。
ワインエキスパート資格も取得しているとのこと。
飲み手のひとの中にはすごくいいワインたくさん飲んだ経験があったり、ソムリエ顔負けの知識を持っているひともいたりして、いやになりますw
それにしてもワイン関連書籍を読むと、いつも必ずと言っていいほどなにかしらの収穫がありますね。
本書で言うのであれば…
☆
「たとえば、ボルドーのワインにしても、醸造法をああだこうだ言うのは、一般的なフランス人がいちばんしたがらないことである。シャトー・ムートンはムートンなのであって、それが”何のブドウが何パーセントで、新樽なnの使用率は何パーセント”なんてことは、知りたくもないらしい。」
「フランスでは、みんな大きな声では言わないけれど、人々の”階級”がはっきり分かれている。テーブル・ワインしか飲まないという人は、よほどの場合を除き、有名シャトーのプレミアムワインなどは、一生飲まないことが多いのである。
いっぽう、タイユヴァンなどの高級レストランで日々ボトルを開けている人は、ふだんでもそういう高級タイプを飲んでいる。
そういう意味でも、むしろ日本のワインの飲み方のほうが特殊というべきである。つまり、普段はテーブル・ワイン。ちょっと気ばって中間ランク。ハレハレの日には高級ワインを楽しむ。そんな幅広い”落差”じたい、普通のフランス人には信じがたいことなのだ。」
☆
こういうのは全く知らない情報。
ありがたい…。
ソムリエはとってからが勉強とはよくいったものです。