WINEBREAKER ワインブレイカー

ソムリエ資格を持つyosukeの、ワインのまめちしきやソムリエ試験対策紹介ブログ。

【テイスティング】バレンタインに贈りたいワインを2本紹介します。

f:id:sommelier-yosuke:20200125003430j:image
 
本日は「バレンタインに贈りたいワイン」を考えていきたいと思います。
紹介したいのは、2本の赤ワイン。
 
ここではその2本のワインを通して、
 
・チョコレートとのマリアージュ
・甘いものが苦手な人にワインを贈るとき
・ストーリーとともにワインを送るということ
 
についてお話できましたらと思います。
 

 
■1本目のワイン:マーレ マンニュム チョコレート チューブ プリミティーヴォ
 
このワインを通してまずお話したいのは
 
「チョコレートのフレイヴァーをもつ辛口ワイン」つまり冒頭で説明した「甘いものが苦手な人に贈るワイン」です。
 
チョコレートの香りがあるワインなんて甘ったるくて喜ばれないんじゃないの?
そう思われるかもしれませんが、大丈夫です。
 
濃厚ではありますが甘いものが苦手な方にも受け入れやすい味わいかと思います。
 
 
…ではここで、ちょっと本筋を外れて
「なぜ赤ワインにチョコレートのニュアンスが生まれるのか?」というお話をしたいと思います。
 
結論から言ってこの魅惑的な香りの根源は「樽」です。
 
ワインを飲んでいるとたまに聞く表現「このワインは樽が効いているね」などといわれる「樽」。
 
これによりヴァニラやトースト、濃厚になっていくにつれコーヒーやチョコレートといったフレイヴァーが付与されます。
 
 
 
樽には大きく分けて2種類あり、
 
「フレンチオーク」 : どちらかといえば繊細で、フランスやイタリアなどのかねてよりワインを造っていた「旧世界」と呼ばれる地域で使われがちな「フレンチオーク」
 
アメリカンオーク」: 濃厚で、「ニューワールド」と呼ばれるチリ、カリフォルニア、アルゼンチン、ニュージーランドなどでよく使われる「アメリカンオーク」
 
このワインようにはっきりとしたチョコレートのアロマを感じる濃厚な樽の香りのワインを探したい場合は

「果実味豊かでアメリカンオーク由来の樽香がはっきりと感じられるもの」

といったワードで探してみるといいんじゃないかなと思います。
 
また最近は、ニューワールドであってもフレンチオークを使い繊細な旧世界スタイルのワインを造ったり、
逆に、旧世界でもアメリカンオークとフレンチオーク両方をかませたりと、その造り方はかなり多様化してきております。
 
最近はぼくは「旧世界は繊細で複雑」「新世界は樽と果実味」というのは目安のひとつくらいの考え方でいいのかなと思います。
 
 
 
 
 
■このワイン「チョコレートチューブ」を通してもうひとつ。
 
単体で味わうだけではなく、チョコレートとのマリアージュを考えてみようというお話をさせていただきます。
そう、甘いものが苦手ではない方にはぜひこのチョコレートチューブ。チョコレートとともに味わっていただきたいんですよね。
胸やけしそう…と思った方も、どうか一度マリアージュの話を聞いてください。
マリアージュの考えかたのひとつとして
 
「フードとワインのもつ特徴をあわせていく」
 
というものがあります。
つまりワインと食べ物の共通点を見出して、組み合わせていく。
シンプルな料理にはシンプルなワイン。
 
実味豊かなワインにはリンゴやベリーのソースを使った料理をあわせたり
そして、チョコレートには、チョコレートのニュアンスを持つワイン

くどくなるかと思いきやお互いのまろやかさと香りが引き立って、とても心地よいです。
 
個人差があるかもしれませんが、こちらのワインを開けるときはぜひチョコレート自体とも合わせてみて、その感じ方を体験していただければなと思います。

■最後にこのチョコレートチューブというワインのちょっとしたトピックなのですが、使われている品種は「プリミティーヴォ」という葡萄です。
 この葡萄の語源はプリミティブという言葉と言われており、日本語でいうのであれば「一番の」とも訳せます。
 そのあたりもバレンタインにワインを送る際にうまく絡められると素敵かなと思います。
 
 

 
■続いて、バレンタインに贈りたい2本目のワイン「MY LOVE DUPERE BARRERA / マイ・ラブ デュペレ・バッレラ」
ぼくはこのワインを「ストーリーとともに贈りたいワイン」として紹介できればなと思います。
 
シンプルなエチケットが印象的ですが、これは「感謝の言葉をワインに託して」という生産者の思いからです。
この空白のラベルにひとりひとり、相手に伝えたいメッセージを入れて贈ってほしいと。
そしてそのワインの名前が「私の愛=My Love」だなんてなんとも素敵じゃないですか。
恋人同士でもいいですが、子供が親にメッセージを入れて渡すワインとしてもいいですよね。

飲み終えたあとも、ボトルを捨てられなさそうです。
 
バレンタインに贈るという話に戻しますが本来はこの空白のエチケット「女性がキスマークを付けることで完成する」とのこと。
 
なんとも情熱的で海外的にも思えますが、キスマークのワイン。
 
まさにこの世に1本だけのワインとなりますね。
 
 
ちなみにこの作り手のデュペレ・バレッラ。
フランスにて夫婦でワイン造りを営むふたり。
デュペレさんと、バレッラさん。
夫婦それぞれの苗字だそう。
 

品種はMourvèdre (ムールヴェードル), Carignan (カリニャン)のアッサンブラージュ…つまりブレンド
そして使われている樽が「DRC」つまり「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ」と長い時間かけて交渉し譲り受けたもの。
 
ほかにも世界最高峰の甘口ワインを生み出すシャトー・ディケムやボーセジュール・ベコから譲り受けた樽を使用したりもしています。
 
 
デュペレさんにもバレッラさんにもワイン醸造に至るまでの強い情熱と努力があり、
エチケットのインパクトだけではなく味わいもとても素敵です。
 
 
以上になります。
今回紹介したほかにもワインとチョコレートのマリアージュはかたられるところがたくさんあって
たとえばポルトガルのポートという甘口ワインが定番とされていたり
ビターチョコレートに対してはある程度シャープなアタックのある赤ワインが良いといわれたり
ホワイトチョコレートには樽のきいたシャルドネなんかがいいとされたり,
深堀してみると面白いところでもありますので、よろしければこれを機に親しんでみてもらえるととても嬉しいです。
 
------------------------------------
<ワインの基礎知識>
■ワインを「4種類」に分類して解説
https://youtu.be/1pdI1ZM4VKc
■辛口・甘口をエチケットから読み解く
https://youtu.be/vbacAvs5Ygg
■ワインの抜栓
https://youtu.be/oz7tet0TJ_8
------------------------------------
■バレンタインに贈りたい、2本の赤ワイン
https://youtu.be/xy-xaGLahtY

■フライドチキンと「セブンイレブンのワイン」のマリアージュ提案
https://youtu.be/uUX_F-AW1LM
■ローストチキンと「セブンイレブンのワイン」でマリアージュ提案
https://youtu.be/DU2YIRPaL6c
------------------------------------
<試験対策>
■【勉強】集中力を高める・学習効率を上げる"静寂と音楽"のペースメーカー
https://youtu.be/7g8tzXmVLdc
■ソムリエ・ワインエキスパート1次試験で取り入れた4つのツールと勉強法
https://youtu.be/BPoU7z7EGUQ
■ソムリエ・ワインエキスパート1次試験 A.O.C.ポスターを作って覚えよう
https://youtu.be/rPBgi7RhcuU
■ソムリエ・ワインエキスパート2次試験について語る
https://youtu.be/1wJKKEOLNjo
■ソムリエ・ワインエキスパート2次試験勉強法~リキュールなど、ワイン以外のお酒編~
https://youtu.be/mB08BOajNH4
------------------------------------
【2019-2020】
日本ソムリエ協会教本 -2019-
Japan Sommelier Association Textbook -2019-
(水色の表紙の教本)
の内容に準拠した暗記用音声読み上げ動画詰め合わせ。
------------------------------------
Youtube[ソムリエようすけのワイン講座]
https://m.youtube.com/channel/UCimopWiR_83tcUAVUh_XOEw
◆MAIL [ sommelier.yosuke@gmail.com ]
◆MUSIC [ humid / Pool English ]
https://youtu.be/S19Mm8SeMEs

------------------------------------