WINEBREAKER ワインブレイカー

ソムリエ資格を持つyosukeの、ワインのまめちしきやソムリエ試験対策紹介ブログ。

パパの読書感想文(27)たった一人の熱狂 見城徹

f:id:sommelier-yosuke:20181215233139j:image 

 

先日読んだサイバーエージェント代表取締役藤田晋氏との共著「人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない」が面白かったので、見城氏の本にも興味が湧き読んでみました。


株式会社幻冬舎代表取締役見城徹氏。

苛烈なまでの熱気が紙面から伝わってくるようです。

 

数々の作家を口説き落とし角川の発行部数を30倍に。

後に独立し幻冬舎を設立。

 

その道程はまさに荒野を行く侍が如し。
命を懸けた決断や赤黒く燃え滾る情熱に時に身あうあうを焼かれそうになりながらも前を見て歩を進める、まさに男。

 

今ですらそうそういない真っ向勝負って感じの人物。

これからさらに少なくなっていきそうですね…。

 

そんな著者の一片が伺えるフレーズ。

『僕は若いころから「これは売れなかったがいい本だ」という言い訳は一切やめようと決めてきた。株で儲けろ、という本が売れようと、ヘアヌード写真集が売れようと、セックスの指南本が売れようと、ベストセラーは大衆の中でくすぶる欲望の奥深くに突き刺さっている。大衆の欲望を鋭敏にとらえた本だからこそ、多くの読者に支持されてたくさんの部数が売れるのだ。

 

自分の中に何かが突き刺さらなければ、人は身銭を切って本なんて買わない。売れる本は、マジョリティの大衆が抱える無意識の欲求や欲望をつかみ取っている。売れる本は良い本であり、売れる本は無条件で尊敬すべきなのだ。』

 

だそうですよ。

数字。
結果。
そこへ至ろうとする情熱はまさに熱狂。

文字を扱う仕事を生業とされているからなのか…

言葉が力強いです。


 

「今日もまた一日死へ近づくのだ」という冷厳な事実を確認し、「悔いのない一日にするぞ」と奮い立ち、朝というとば口から残りの人生を照射するのだ。

僕にとって、一日の終わりは毎日が後悔だ。何もかも自分の思い通りになった日など、これまで一日としてない。そんな辛い毎日を送りながら、押し寄せてくる後悔をエネルギーに変えて明日を生きたい。生き切りたい。

 

年を取れば取るほど、忙しさのせいにしたり体調のせいにしたり、天候のせいにしてごまかす。「まあいいか」という言葉は、絶対に呟きたくない。「まあいいか」を否定し続け、自分に打ち克ち、日々初心に帰るのだ。

 

リスクのない成功などありえない。山の麓で太った豚のような安定を求めるのか。たとえ凍え死んでも頂上を目指す狼の孤独を引き受けるのか。君の覚悟が問われる。

 

そもそも恋愛とは多かれ少なかれ背徳を含むものであって、背徳を全く含まない恋愛など官能的ではない。「女が女を愛してはいけない」「男が男を愛してはいけない」「ムチで人を打つのはヘンタイだ」。共同体が勝手に決めたルールなど無視して、性愛を貫けばいい。

 

 

起業を考えているぼくには、

『これから起業するという時に「人のため貢献したい」と平気で言う人は、いつまでもそういうことを言っていればいいと思う。数字という裏付けがない状態で夢物語のような理念を掲げたところで、そんな理念は砂上の楼閣のようにはかなく崩れる。極論を言えば、起業家に理念なんて必要ない。』

という言葉がいたく響きました。

 

また、窮地にて阿佐田哲也氏にかけられた言葉も印象的。

「見城、君は10万円を手に競馬に出かけ7万円も負けた時点でもう勝負に負けたと思うだろう。それは違うよ。9万9900円負けても、負けが決まったわけじゃないんだ。最後の100円で当たり馬券を取り、それが2万、3万、さらには10万、15万、20万に膨らむことだってある。10万円全部を使い切ったときに、負けは決定するんだ」

 

仕事ができない人間の共通点は、
自分に甘いこと。
思い込みが強いこと。
小さなこと、片隅の人を大事にしないこと。
約束を守らないこと。
時間に遅れること。
他社への想像力が足りないこと。

 

なんかいくらでも抜粋できてしまいますね。

熱くなりたいときはおすすめです!

 


ところで後半に「ワインの悦び」という一説があるのです。が、さすがは見城氏というべきか、いいワイン飲んでるんですよね…
コシュ・デュリ
ルフレーヴ
コント・ラフォン
DRC。

 

DRCやモンラッシェを「年に何回かは 飲みたい」だもん。

すごい。

DRC飲んだことないんだよなぁ…