ソムリエがテイスティングしてみた(22)〜妻から出題されたワインが、まいばすけっとの400円のワインだった〜
妻がワイン買ってきてくれました。ので、ブラインドテイスティングしてみました。
味や香り、ニュアンスなどなど滔々と語っております。まいばすけっとで400円くらいで買えるものとも知らずに…。
COSTANERA
CHILE
CHARDONNAY
2017
コスタネラ
チリ
2017
外観はかなり淡めのレモンイエロー。ディスクは薄く、グラス内部を伝うワインの涙もスムーズに落ちる。熟成感は浅く、若く、クリアな印象。
香りはパイナップルや黄桃といった酸の穏やかなフルーツのイメージ。全体にフレーバーはやさしめ。
口当たりはまろやかで瑞々しく親しみやすい。柿やハーブのようなひねりのある味わい。フィニッシュは短く、パイナップルのような果実味を短く残しながら消えていく。
これ本当にわからなかったんですよね…
言葉にすると
「瑞々しい」
「薄い」
「やさしい」
といった感じになるのですが、なんか決め手がない感じです。逆に言うと、お料理を選ばず合わせやすいような感じもあります。
うーん。
第一印象から似た雰囲気のワインを思い出してみると…
なんですよね…
そして実際最初は妻に「アルザスのピノグリ」と回答してハズレでした。
ヴィンテージや作り手によって価格はまちまちでしょうが、だいたい1000~2000円くらいで購入できるイメージです。
しかし単になにもない1日のテーブルワイン。
考えてみたら、妻はもっと安いワインを選ぶだろうから…
と考えてからの2回目の回答で
「チリのシャルドネ」かな!
という感じで正解することができました。
妻からは「そういう答え方ずるいよー」と言われました…笑
が、様々な情報を総動員してワインの本質を見極めることができるのが、ソムリエのソムリエたる所以なのです。笑
しかしまさか、まいばすけっとの400円ワインとは。
酸が穏やかで飲みやすかったですね。
最近のバリューワイン、侮りがたしです。
ワインは本当に日々の生活に根付いてきたんだなぁ。
ソムリエがテイスティングしてみた(21)
今回はローヌワインです。シャトー・レ・ザムルース。
なーんか、聞いたことのある名前なんですよね。なんだろう、けっこういいワインじゃなかったかな。ソムリエ教本とかで名前見たような気がしたんだけど違ったかな…
シャトー・レ・ザムルース…
今日抜栓していいワインなのか?
自分で購入したはずなのに全然覚えてない…
☆
でもまあ開けちゃいましたよね!
よくわかりませんが、
よくわからないなりに、
よくわからなさを、
楽しんでいこうかと思います!
シャトー・レ・ザムルース
ラ・バルバール
ルージュ
2015
Ch. Les Amoureuses
cotes du rhone
La Barbare
Rouge
2015
テイスティングは、やや久々ですね。今回はセパージュとアルコール度数も調べていないので、そのへんも当てられるか挑戦していきます!
外観は、やや青みがかった深めのルビー色。ディスクの厚みは中程度で、グラスを伝うワインの涙はややゆったりと落ちます。
香りは青さと澱を感じるドライな印象。辛そうだなぁ…というイメージ。
口当たりは強め。ベリーとスパイスのような、酸味を強く感じる存在感のあるアタック。かと思えばボディは不思議なほど軽く、そして余韻にはざらりとしたタンニンが長く残る…
音楽で例えるのであれば「メタルのギター」って感じですね!音を構成する「高域」と「低域」が強くブーストされ、「中域」は削られている感じ。ザクザクしてバキバキして、同じフルボディでもボルドーやチリのものとは全く違うんですね、ローヌ。
セパージュ(品種)は…
主体はシラーでしょう。外観、香り、そしてなによりローヌならばという予測が働いてしまいます。あとはカベルネソーヴィニヨンかな?それと、あまり感じませんがローヌワインというと、グルナッシュも入ってるのかな?
度数は、13.5%と予想。
正解は…
セパージュ:シラー グルナッシュ
度数:14.5%
でしたー。
度数意外と高いですね!
セパージュは、カベルネは入っておりませんでしてがまあいい線じゃないですかね?
合わせるお料理は、シンプルなステーキ、塩の焼き鳥なんかが良さそうですね。
ローヌワイン。
アタックの強いワインがお好きな方にはなかなかいいんじゃないでしょうか!
よろしければお試しくださいませ。
ソムリエがテイスティングしてみた(20)〜「変わったワインください」とワインショップ店員さんに言ってみた〜
通勤途中、素敵なワインショップがあります。とても洗練された綺麗なお店で、スタッフも半分くらいのひとがソムリエもしくはワインエキスパートのバッジをつけているようなところ。
そちらに週末用のワインを選びに行ってきました。
ワインショップって、見ているだけでテンションが上がってまいります。
「イタリアワインの帝王」ガヤのワインがまとめ買いなら3000円!
「サンテミリオン」が、3本どれでも1万円!
うわーすごい!!
やはり普段来ないワインショップって、別種の楽しさがありますね。
そこでのひと幕。
店員さん「なにかお探しですか?」
ぼく「えーと、週末のワインが一本ほしくて。」
店員さん「どんなのがいいとかありますか?重いとか、軽いとか…」
ぼく「なんか変わったワインが飲んでみたくて」
店員さん「…?」
そんな感じで店員のステキな女性が選んでくださったワインがこちら!
イタリア
プーリア州
アンティノリ
トルマレスカ
フィキモリ
ネグロ・アマーロ シラー
itary
puglia
ANTINORI
tormaresca
fichimori
negramaro syrah
「冷やして美味しい赤ワインです。なんだったら氷入れてロックで飲んでもオッケーですよ」
とのこと。
なるほど、たしかに変わったワインです。
しかしワインに氷入れるのは、ちょっと抵抗あるなあ…
それではテイスティング!
外観は強い青みの走ったルビー色。
グラスに注ぐ段階でその紫がかかった色あいに目を奪われます。
ディスクは薄く、グラデーションは緩やか。
「冷やして飲む」のイメージに近いような、青みがかった色みですね。
香りは、ミントを溶かし込んだラムレーズンのような独特の香り。たしかに個性的。
どんな味?
これはわくわくするかも!
口当たりはまろやか。酸は穏やかで、清涼感あるアタック。ほんのりと甘さは感じるものの、全く嫌な感じはありません。が、この果実味をシャープに感じて欲しいからこそ「冷やしてお飲みください」だったわけなんでしょうね。
イタリアには「アマローネ」という、陰干しして糖度を高めたブドウから作るワインがあるんですが、そのアマローネのニュアンス。
また、「ランブルスコ」というこれまた有名なイタリアの微発泡ワインがあるんですが、それのドゥー(deux…甘口)のような香り。
なんだか、イタリアをいいとこ取りで飲んじゃったような不思議な赤ワインでしたー。
度数は…軽そう。11%くらいかな。
正解は…12.5%と、意外としっかり。
アンティノリのワインだったのは後から知りました。イタリアの地元に根ざした一大メーカーですね。なるほどー。
氷は入れなかったけど、さわやかな気分になれました。来年も飲んでみようと思いました!
ソムリエが、ひとり8000円のワインパーティに自腹で参加してみた
飲食業のぼくは、業者向け試飲会にだいたい無料で参加できます。そんなぼくが身銭を切って「ワイン会」なるものに参加してきた話。
まず「試飲会」。飲食店勤務のぼくには大事なイベントです。新たなインポーターさんと繋がったり、未知のワインに出会えたり、飲んだことのないワインを実際に飲むことができたり…。
そして、そのワインをどうしたらお店に仕入れられるか?我々はもとより、酒屋さんやインポーターさんも自分たちのワインを売り込む大切な機会ですね。
そんなぼくがはじめて参加した「ワインパーティ」。それは、やはり、試飲会なんかとは全然違うものでした…
☆
蒸し暑い8月の金曜日。
場所は都内の高層ビル42階にあるバー。
開放感たっぷりなガラス張りの店内から見下ろす整然とした東京の街並み。時間は18:30を回り、夕日がゆっくりと傾きはじめております。街のあかりはぽつりぽつりと灯りはじめ、徐々に夜が訪れていくのを肌で感じます。
とても緩やかで、良い雰囲気。
参加者とおぼしき男性女性は、ソファに腰掛けてシャンパンをいただいていたり、スマートフォンをチェックしたりと、思い思いに、しかしどこか腰が落ち着かない様子。開始時間を待っているのでしょう。
とはいうものの、きっとぼくもはたから見たら、どこかそわそわしていたのでしょうね。
30〜40台の方が多いのかな。ドレスアップした女性と、カジュアルなジャケットやシャツでいい感じに着くずしたおしゃれな男性方。比率は男女で6:4〜7:3くらいです。
お一人様での参加も多いよう。
司会者の「おひとりさまでのご参加の方はー?」という質問に対して、6割程度の参加者が挙手。ぼくも挙手。
ウエルカムシャンパンをいただいていると、自己紹介の時間に。笑顔がステキな司会者の女性に促され、7人程度で輪になって軽く自己紹介。ぼくのとなりはオシャレでかっこいい男性からは「美容室を経営してます」とのおことば。この発言には女性陣から羨望の眼差しが。
そりゃかっこよくてオシャレ、しかも美容室経営してたら、うわーってなるわ。ぼくが女子でもなるわ…。
おひとりで参加の女性もいれば、リピートの女性も。皆様お綺麗ながら話しやすい雰囲気で社交的な傾向。
パーティに来たなーって感じですね。そんな中でぼくがまずしたことは「用意されている10種のワインを全てテイスティングして、テイスティングコメントを書き残しておくこと」でした。
パーティ会場の片隅で、
ひとりでワインを何種類も次々と飲みながら
小さなメモ帳になにかを書きつけているぼくは
きっとかなりのキモさだったでしょう…
そこからは思い思いにご歓談。催しものやゲームのような参加者同士の交流を促すようなものはなく、皆様自由に過ごすような形式。
ぼくもちらほらと男女問わずお話させていただきました。自己紹介の時に「ソムリエやってます」と発言したこともあり、ワイン関係の質問を受けることも多かったですね。
お店に「オーパス・ワン」という素晴らしいワインがサイン入りでディスプレイされておりまして、「このワインってどんなワインで、いくらくらいなんですか?」とか。
よく聞かれることが多かった会話で
「ワイン好きなんですか?」
「えぇ好きです。全然詳しいとかじゃないんですけどねー」
というのがあります。
「興味があるけど知識がない」
という、現在。
それはそれで楽しいものですよ!
そして、そんな人たちにソムリエとして、
ワインの楽しみ方を伝えられたらな。
そんなことを思いながら、
ワイン会の夜は更けていくのでありました。
☆
感想。
けっこう楽しめました!
「交流を楽しむ」というコンセプトがあるせいか、皆様フランクにお話してくれて時間があっという間でしたね。
もしも次回があるとすれば…、
①「ワインブレイカーようすけ」の名刺を作成していこう。
②「カジュアルな服装でお越しください」を鵜呑みにするのはやめよう。Tシャツと七部丈のパンツという、いつもの格好での参加はやめよう。
というあたりでしょうか。
少し長くなってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
万が一、昨日の参加者でここを見つけられた方。
ぜひ、声をかけてくださいね!
ソムリエがテイスティングしてみた(19)感動をくれた赤ワインの造り手による、白ワイン
イタリア、マルケ州のワイン「チウ・チウ」。
この人の作る赤ワイン「ラクリマ」が本当に衝撃的だったので購入いたしました。
白ワイン。どうでしょう!
楽しみー。
CIU CIU
falerio
D.O.P.
2016
チウ・チウ
ファレリオD.O.P.
オリス
2016
トレッビアーノ50%
パッセリーナ30%
ペコリーノ20%
やや濃いめのイエロー。ディスクは薄く、涙の落ち方もシャープ。グラスの底に小さな泡が残る様子はミュスカデを彷彿とさせます。が、色が濃い。
香りはレモンやライムを中心に、オリエンタルなハーブのニュアンス。八角(アニス)とか。
最近アニスに縁があるな。
口当たりはハーブ公が強い印象。柑橘もあるが、アニスとオレンジ、薬草…ボディはしっかりとしており、お花の蜜、蜂蜜、軽めの黒蜜のようなニュアンス。余韻は酸と蜜柑のような親しみあるフィニッシュ。
バランス良いながらも蜜系のちょっとしたひねりがあり、いい感じに個性的って感じですね!
中華と良さそう。
あとなぜかパンケーキ食べたくなりました。
あれかな、メープルシロップと合わせてみたい感じがあるのかもしれません。
度数は13%かな?
13%!正解!
美味しかった!
ステキなワイン。
だけど、この造り手の赤「ラクリマ」をはじめてテイスティングした時の感動には残念ながら遠く遠く及ばない…。
試飲会に行くと100種類前後のワインを一気にテイスティングすることも多いのですが、本当に感動できるワインってその日に一本あればいい方、ってくらいの割合に思えます。
ソムリエようすけの、ワイン探しの旅は続く…
ソムリエがテイスティングしてみた(18)闇のワイン
先日飲んでみた「地獄のワイン」こと「アポシック インフェルノ」。あれが妙に気になってしまい「同じアポシックのワイン、飲んでみたいかも!」と思い購入。
周囲の人々のコメント
「エチケットださー」
「中学生の服か」
「もうちょっとなんとかならなかったのかな」
うるせー
男はいつでも中二病なんだよ。
アポシック
ダーク
apothic
dark
「インフェルノ〜地獄〜」に続いて
「ダーク〜闇〜」という、このセンス。
俺は、嫌いじゃないぜ
香りは、バニラを溶かし込んだハーブ系のニュアンス。インフェルノに比べると爽やかさはあるものの、やはりむせ返るような濃厚さ。樽をとにかくきかせてくるスタイル。
口当たりも濃厚。甘みすら感じるようなアメリカンオーク樽の強い主張。
おそらく、主体はインフェルノ同様、ジンファンデル。しかしシラーは使われておらず、カベルネ・ソーヴィニヨンをブレンド。
じゃないかな?どうだろう!
度数は14%か?
正解を検索してみました。
プティシラー
カベルネソーヴィニヨン
プティヴェルド
テロルデゴ
度数14%
うーむ。
まずまずかな…
てかテロルデゴってなんなん。全然知らない。
妻はあまり好みではなかったようで、あんまり飲んでくれませんでしたー。ぼくは好き。
重ね重ね言うが、
嫌いじゃないぜ!
ソムリエがテイスティングしてみた(17)〜地獄のワイン〜
燃えさかる炎のエチケット。禍々しいフォント。黒と赤を基調としたそのワインに冠された名は「地獄〜インフェルノ〜」
いやー、なんかすごいですね。すごい!ちょっとアレだけどいいじゃないですかこういうのも。
カリフォルニアワインです。ニューワールド。
個人的なイメージですが、ニューワールドワインって、こういう…なんか…、奇を衒ったことをしがちですよね。
誤解を恐れずに言うと商業主義的で、
正直、個人的にはあまり好きではありません。
エチケット。
名前。
度数16%
何をとっても、
話題性、コマーシャル。
これだから、
フランスワインに立ち戻りたくなるんです。
味で勝負せいや!みたいな。
このエチケットなしにブラインドで飲んだら、
飾るもののなくなったこのワインは、どうなんだ?
とか思いますよねー多少。
ガチャガチャ言っててもなんなのでテイスティング。
APOTHIC
INFERNO
2015
アポシック
2015
色味はやはりというかなんというか濃厚で濃いルビー色というよりは黒に近い。ややオレンジがかったディスクにほんのりと熟成感が見て取れます。
香りはカシス、ヴァニラ、ダークチェリー、チョコレート、ココナッツ…甘めの魅惑的な香りがこれでもかと詰め込まれており、香りだけで酔わされそう…
口当たりは…
樽由来のヴァニラフレーバーを軸に、やはりカシスやチョコレート。濃厚で力強く、コクがあるが渋みが穏やかで黒蜜のようなニュアンス。包容力と存在感はしっかりとありながらも、度数16%を感じさせない口当たり。
…すごい!
なんていうか
ずるいよ…
魅力を感じたくないのに
感じたくない、のに--------
-------グラスが、止まらない-----!!
みたいなね!
でも本当そんな感じですよ。
エチケットやコピーライティングだけ上等で、
口にしてみたらまあ普通ってワインも多いわけですが、これはすごく良かった。
ウィスキー樽を使ってるってのも話題性だけじゃあなく、ちゃんとニュアンスも出ているし、なにより着地として味が美味しい。
これって実はすごいことで「これしたら絶対話題になる」ってのと「味」って両立させていくのって難しいと思うんですよ。
やれオーガニック
やれ〇〇賞受賞
エトセトラ…
そういう意味でも、逆に好感が持てます。
デザインやインパクトに隠れちゃいそうになりますが、そこにある造り手の情熱はきっと本物だな!
セパージュあてにも挑戦してみました。
きっとシラーは使われている。特性はあまり出ていないけど、きっとこういうワインはシラーが主体。
あとはよくわからないけどカベルネ・ソーヴィニヨンかな。
シラー75%
カベルネ・ソーヴィニヨン25%
くらい?
正解は…
ジンファンデル51%
シラー13%
ほか
でした。
全然だ…プロセスも雑だ…
言われてみればこのまろやかな濃厚さ、樽と組み合わせるという特性、そしてカリフォルニア。全てのファクターからジンファンデルは導き出すことができたはずなのに。
ダメだ…
マリアージュとしては、濃厚なソースのお肉がいいですね。
塩と胡椒のステーキって感じより、ベリーや赤ワインでソースを作ってるような、しっかりした味わいのもの。
とんかつソースや中濃ソースも合いそう。
それならいっそとんかつか?
合いそう!
20年くらいめいっぱい熟成させても良さそうだなー
なんか品薄っぽい情報をゲットしたので、見かけたら即購入ですね!1500円くらいですし…