ソムリエが〇〇をテイスティングしてみた⑦黒ワインをつくる品種、マルベック
terreo
Malbec
2016
テレオ
マルベック
2016
1000円くらいで買えるけどあんまり見かけません。
「黒ワイン」こと「カオール」というワインを構成する品種として知られているマルベック。カオール以外だとやっぱりアルゼンチンでナンバーワン栽培量を誇ることで有名ですね。マルベック。
若い頃はその色気ある濃厚さが好きでした。
ですが歳を重ねるにつれ少し敬遠気味に。
ケバいイメージでちょっと飲み疲れてたんですよね。だ
けど最近また好きです。
特に新世界でのアメリカンオーク樽とのマッチングのレベルがすごく洗練されてきてる感じがする(このあたりはまたあらためて説明する記事をあげます)。
マルベックというブドウは、フランスでは「コット」という名前で呼ばれることもあります。カオールも、コットからの醸造ですね、ソムリエ試験におきましても「黒の子(cott)、カオルちゃん」なんて覚え方があります。
そう、ワイン用ブドウって、土地が違うと呼び方が変わるものがあるんです。この別称を
「シノニム」
といいます。
例えば「ピノ・ノワール」のシノニムは…
グロ・ノワリアン
ピノ・ネロ
シュペートブルグンダー
ブラウブルグンダー
などなど。
下二つのシノニムはドイツ圏ですね。試験で覚えたなあ…多くの受験生がドイツのシノニムで消えていくらしい。
話が逸れちゃいました。えーと、コットじゃなくマルベックと表記されていたため…なのか、このワインをぼくはアルゼンチンワインだと思い込んでしまっていましたね…
なのでテイスティングした時に「ん!?」てなりました😅
エチケットのひとつもまともに読めんのかこのソムリエは…と思われそうですが、せっかくなので「アルゼンチンのマルベックだと思い込んでテイスティングしたメモ」があるので、みてみましょうー。
☆
輝きのあるルビー色。マルベックにしては澄んだ色味。
香りはチェリー、ベリー、ほのかにミントやタイム、香草。厚みがあり重厚と言うよりはエレガントさも感じるスタイルは旧世界寄りかも!樽や熟成よりは品種由来の香り(第一アロマ)が強い印象。
口当たりはフレッシュな酸味があり、トマト系のものが欲しくなる。それかベリーソースで味付けしたグリル料理。
樽はニューワールドにしては控えめで、余韻にココナッツやバニラのフレーバーがおしゃれに香る。
度数予想は13%
正解は12%
でした。
なんか綺麗にまとまってるワイン。
マルベックらしさもありつつ完成度高いのに1000円くらいってやばい。美味しいですね!
コスパ超いいし、なんだかんだいろんなお料理に合わせやすい感じがして、家に置いておきたい一本です。
☆
だそうです…「エチケットが読める」どうこうよりも、エチケットの上部に「FRANCE」と書いてありますからね…エチケットどころか英語が読めないのかっていう。見えてないのか。
でもちゃんと「これ本当にアルゼンチンかな?」と疑問を持てていたところはすごいですね、自分を褒めてあげたい!
さて、
「シノニム」
「ニューワールド」
「旧世界」
「第1アロマ」
とかいろいろ専門用語が出て来ましたね。
ひとつひとつ、またあらためてゆっくり解説していきますね!
楽しく読みながらためになるような、そんな解説コラムを書いていきたいと思っております。
いろんな人にワインの楽しさを知ってほしい!