誰かに話したくなるワイン雑学①「シャンパン」と「スパークリング」って…違うの?
はい。ワインの疑問やちょっと面白い小話なんかを集めてみたいなーと思って始めました、ワイン雑学篇!
「ワインってなんか難しそう、間違えたこと言ったりしたら恥ずかしいし」とか思ってませんか?
いやいや!
所詮は、お酒ですから!
楽しくいきましょうー。
…そんなわけで第一回。
「シャンパン(シャンパーニュ)」と「スパークリング」ってなにが違うの?
というおはなし。
飲みに行ったお店で
「シャンパンくださいー」
「すみません、当店シャンパンご用意してなくて…スパークリングでしたらございますが」
みたいな経験ありませんか?
そう、ざっくり言うとシャンパンてのは「商品名」みたいなもんなんですよね。
「炭酸飲料」というカテゴリーの中に「コカコーラ」があるように
「清涼飲料水」というカテゴリーの中に「ポカリスエット」があるように
「スパークリングワイン」というカテゴリーの中に「シャンパン」があるイメージですね。
しかし「シャンパン」がそのクオリティと歴史、ブランド性であまりにも突出してしまっていたため、発泡しているワインの代名詞となってしまったと。
そんなわけでございます。
(似ている現象としてゲーム機全てをお母さんは「ファミコン」といいますよね。あとはぼくもmp3プレイヤーを「iPod」とひとくくりにして呼んだりしてしまいます)。
それでちょっと歴史の話なんですが、「シャンパン」ってワインが人気になったので、どの国もどこもかしこもスパークリングワインに「シャンパン」という名前を掲げて売っちゃう事件が発生いたします。
「シャンパン(シャンパーニュ)」ってのはもともとが地名で、そのシャンパーニュ地方で一定の条件を満たして作っているからその産地の名前をつけて販売してたってのに
チリでもシャンパンを
イタリアでもシャンパンを
作っていたらこれはもうわけがわからない!
矛盾しまくりですし、シャンパーニュの生産者たちだって「自分たちが誇りと歴史、こだわりを持って作ってるワインの名前が、商業目的でよくわからん感じで作られてるワインに踏みにじられているよ…」と、心を痛めます。
消費者サイドからしても、そんなフェイクシャンパーニュを飲んで「シャンパンってこんな感じなんだー」と思ってしまうのは、あまり良くありませんよね。
このままではシャンパーニュ地方のワイン、ひいてはフランスワイン全体の権威の失墜も危ぶまれる!
というわけでフランスはワイン法で
・シャンパーニュ地方にて
・品種は「ピノ・ノワール」「ピノ・ムニエ」「シャルドネ」以外は使用せず
・アルコール度数11度以上で
・定められた熟成方法と期間を経たもの
じゃないとシャンパーニュと名乗ってはいけない、と規定したわけです(本当はもう少し細かいんですが、ざっくりいうとまあそんな感じ)。
ワイン法って、法律ですからね。
法的拘束力と、違反したら罰則もありますから事態は徐々に落ち着いていったようです。
余談ですが[Alexandros]ってバンド、ご存知でしょうか?このバンドかつては[champagne]というバンド名で活動しておりました。そんな彼らがバンド名を改名せざるを得なかった理由も、実はここにあるのです。
「お酒だけじゃなくバンド名なんだからいいじゃないか!」…というような気もするんですがどこかで線は引かねばならないのでしょう。それに、その名を掲げたバンドがどんな音楽をやるのかは、たしかにシャンパーニュのイメージに関係してくるといえば、関係してくるのかもしれません。個人的には、けっこうかっこいいバンドだと思っております。
話が逸れましたが、こうして国ぐるみでワインの名声を保護していく、ということで、だからシャンパーニュ以外のワインは「スパークリングワイン」なわけです。
誤解のないように最後にひとつだけ!
シャンパーニュ以外の全てのスパークリングは、決してシャンパーニュの下位互換ではありません。
スペインの「カヴァ」「チェコリ」
イタリアの「フランチャコルタ」
ポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」などなど…世界には素晴らしいスパークリングがたくさんあります!
日本でも、山形の高畠ワイナリーの作るシャルドネのスパークリング「嘉-よし-」なんかは果実味と優しい酸と泡、そして色合いも本当に素晴らしい!
フランスワインの素晴らしさとして歴史とテロワール(地域性)、そしてある種のブランドが魅力のひとつであることに異論はありませんが、あまり凝り固まらずにいろいろ飲んで楽しんでほしいなーと、せっかく
「ワインブレイカー」
という名前でブログを始めたぼくとしては思うわけです。
あー語りましたねー
第2回は
「ボジョレーヌーヴォーって結局なに?」
をお送りする予定です。笑