パパ30年ぶりの読書感想文(7)~ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく 堀江貴文~
現代社会が産んだモンスター…
そう、思っておられますか?
であれば、そのモンスターの思考と生い立ちを読んでみましょう!めっちゃ面白いですよ!引き込まれて一気に読んでしまいました。
ホリエモンの自伝的物語…なんていうと「別にホリエモンの人生知りたいと思わねーよ」みたいに言われちゃうかもしれないんですが、
現時点で「ようすけの今年読んだ本の中で面白かったランキング」一位です!彼を好きな人も嫌いな人も読んでほしい1冊。
拝金主義者で、欲と金と権力を求めてやまない(というイメージが強い)、そんな著者が赤裸々に堀江貴文を語ります。
ああ誰よりも人間的で繊細で、だからこそ
「やいばのよろい」
を身にまとって、守りながら戦ってたんだなぁー。
メディアの作りあげたイメージが強く、別次元の人間だと思っていた堀江さんも、当然普通に人間なわけで、とても共感が持てるところや親近感が湧くところが多かったです。
(「ホリエモンを嫌いな人ほど、この本に同調・同情するかもね」と、妻は言っておりました。)
☆
女の子にもてずにキョドっていた学生時代。202人の中で199番という落ちこぼれからの、東大合格。
会社を立ち上げ、球団買収やTV局子会社化で世間を賑わせたかと思えば、その後ほどなくして逮捕…、収監。
働き盛りの30代。
風雲児は、塀の中の生活を余儀なくされる…
成功と凋落、
そして
再生。
波乱万丈な人生からは学ぶことが多いです。
・独房にて孤独を抱えていた頃に、看守さんからの「何もできないけど、話し相手になるよ」という小声での囁きに号泣した話。
・子どもの頃、友人家族にファミリーレストラン「ロイヤルホスト」へ連れて行ってもらって感動と恍惚に包まれた幸せな記憶について。
・没頭したプログラミングで、10代で初めて手にした「自分の力で稼いだ」お金の喜び。
強く胸に迫るリアリティがどのエピソードにもあり、ページをめくる手が止められません。
様々な経験を経て堀江さんから語られる
「ゼロになることは、みんなが思っているほど怖いものではない。失敗して失うものなんて、高が知れている。なによりも危険なのは、失うことを恐れるあまり、一歩も前に踏み出せなくなることだ」
という言葉の説得力と、心強さですよ。
「挑戦したいけど勇気が出ない」
「やりたいことがあるけど失敗したらどうしよう」
という心配は誰しもあるかもしれませんが、この本を読み終わった後に自分を見直してみると「自分はなんて小さな小石につまづこうとしてたんだろう!」と滑稽にすらなります。
書籍は他人の人生を、それも自分とは真逆の人生や時代を生きた人の考えや体験を得ることができるから面白いですよね。
周りの友人や同僚、上司にここまでの経験をした人がいますか?
いないですよね多分。
そんな人から話を聞くことができる機会があったとしたら、それはとても貴重で得がたいチャンスのはず。
読書は、それを可能にしてくれます。
著者の人生と経験に簡単にアクセスできます。
「本を読むのが好きです」
「読書に抵抗ありません」
という人は、人生について大きなアドバンテージを、すでに手に入れているんです。
☆
「ある意味僕は、10代や20代の若者たちと同じスタートラインに立っている。ここから一緒にスタートを切り、一緒に新しい時代を作っていくことができれば幸いである。大丈夫。あなたも僕も、未来は明るい」
読者あるいは自分自身へ向けたかのようなセンテンス。やりたいことや好奇心を押さえつけることは、自分自身に対しても、そして社会に対しても、損失だと考えられるようになりました。
☆
ゼロを読み終えたあの日、軽めのお昼ごはんをとりにベーグルのお店へ入ったんです。
初めて訪れるお店でしたが、ウッド調の内装をベースとした柔らかい雰囲気のカフェ。店内にディスプレイされている書籍の一冊を手に取り、眺めながらベーグルをいただいておりましたところ
「堀江貴文さんのゼロという本に感銘を受け、一歩を踏み出す決意をしました」
との一文が。
初めて入ったカフェ。
何の気なしに手に取った一冊。
今朝読み終えたばかりの本。
それらの奇妙な巡り合わせに思わず笑ってしまいました。
本田健さんならこう言うかもしれません
「あなたの人生からのサインを見落とさないでください」とね。
ぼくもがんばろう!