ソムリエがテイスティングしてみた(24)〜ハロウィン、悪魔の蔵のワイン〜
ハロウィン近づくこの時期、よく目にするのがこの「カッシェロ・デル・ディアブロ」。電車や駅でプロモーションされているのをよく目にします。
いわく
「その昔、あまりの美味しさに盗み飲みをする者が絶えないワインがありました。
困った蔵の主であるドン・メルチョーは「その蔵には悪魔が棲んでいる」という噂を流し、
そのワインを守ったという…」
コンチャ・イ・トロ創業以来の伝説を語り継ぐワイン。
Casillero del diablo
Chile
Cabernet Sauvignon
2016
カッシェロ・デル・ディアブロ
チリ
2016
おりしも街はハロウィンてことで、最近このワインの広告をたくさん目にしますね。
穿った見方をすると、コンチャイトロは「悪魔のエピソード」と「ハロウィン」をからめて、「ハロウィンといえばカッシェロ・デル・ディアブロのワイン」ってのを根付かせたいんだろうな。去年もこのハロウィンの時期、電車や駅でたくさん広告見ました。
こういう売り方って、なんかチリとかニューワールドワインっぽい感じがしますね。
商業主義的といいますか。
コマーシャリズムといいますか。
なんかトゲのある言い方になってしまいましたが、まぁエピソードのあるワインってのは、いいものです!
これ買ったお店のポップには「世界最高のカベルネ・ソーヴィニヨン」との表記が。
世界最高のカベルネってなに基準よ…
☆
ではテイスティングを!
色は、やや紫がかった濃厚なルビー色。色づきはしっかりとしており、「悪魔の蔵のワイン」の名に恥じないといえば恥じないような気もします。紫感が若さを物語ってますね。2016年。
香りはベリーやチェリーに、上品かつ濃厚なココナッツとチョコレートのイメージ。チリのカベルネ・ソーヴィニヨンという言葉からイメージされる「ピーマンやシシトウといった青さ」はさほど感じません。
どちらかというと樽のニュアンス…
ココナッツやチョコレートのフレイバーを感じる作りですね。
しかしその樽感も主張が強すぎず弱すぎずで、品種の個性も殺していないしなんともバランスが良い!
口当たりはまろやかながらも、フィニッシュにむかうにつれ徐々にカシスや黒砂糖のような濃厚な味わいが広がる。
いや美味しいじゃないか!
これが1000円強で買えるなら、べつにハロウィンの時期だけじゃなく普段使いにも全然いけそう。特にこれから寒くなってくる時期にデミグラスの煮込み…牛タンシチューなんかとあわせたら絶対最高です。
まとめると
「商業主義的なワインだからって敬遠しないで飲んでみるといいですよ」
ということでしょうか。
☆
商業主義的なワインといえば、もうひと月もしたらボジョレーヌーボーの解禁日ですね。
意外と好きなボジョレーヌーボー。
まぁ割高感はありますが…
今年もテイスティングして、コメントをブログにあげようと思います!